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魚種ごとの反応

マダイを追う vol.14

この魚探画像からどんなことが解り、どんなことが推測できますか?

マダイを追う vol.14 GPS魚探映像 本命らしき魚の反応を探すだけでなく、エサ取りになりそうな魚の存在も把握することも大切です

この魚探画面は、スパンカーを使ったエンジン流しにて実釣している最中に撮影(画面キャプチャー)したものです。魚探から発信する超音波の周波数は50キロヘルツと200キロヘルツで、それぞれ画面の左側と右側に示してあります

この画像からは以下のような情報が得られます

  • 水深34.8メートル
  • 高低差10メートルほどの起伏がある
  • 海底底質は岩と砂が存在している
  • 海底付近に単体魚と魚群が存在している

この画面撮影時はコマセを使ったマダイ釣りの最中でした。
なぜこの釣り場を選んだかというと、魚探画面左(低周波)側に赤く囲んだ部分に単体魚の反応が映っていたからです。
マダイの場合、小型のものは複数で群れを形成して行動することが多いのですが、成長するにつれ単独で行動することが多くなります。

魚探に表示されるマダイは大きく明確な単体魚の反応として表示されることもあれば、この魚探画面のようにポツポツと小さな点で表示されることもあり、反応表示の大きさだけではサイズの判断まではできない難しさがあります。
アキュフィッシュ機能をONに設定していれば、魚体長を表示することもありますが、それでもマダイの場合には青物類ほど正しく表示されないこともあり、実際には点の表示からマダイの分布を推測する機会が多くなります。

この画面撮影時も小さな点による反応表示だったのですが、水深、海底地形、海底底質等の条件により、その単体魚の正体がマダイではなかろうか? という推測のもとに仕掛けを降ろしました。
魚探画面右(高周波)側にもその単体魚の反応は映っているのですが、それ以上に画面全体にわたってノイズが出ており、単体魚の存在を知ることが難しくなっています。
このノイズの正体は自船の魚探が発信する超音波と近くに浮かんでいた別のボートが発信する超音波が干渉したことにより発生する干渉ノイズであり、小さな点で表示される単体魚の反応表示を見えづらくさせています。

なお、この画面画像は海面から海底までを表示する設定のままで撮影しましたが、海底付近の一部分を切り出して拡大表示する機能(海底追尾拡大,海底直線拡大)を使えば海底から数メートルほど浮いた単体魚の反応をより明確に把握することが可能になるのでオススメです。
この画面撮影当日は、短時間の間にマダイを複数尾釣ることができました。
実釣時に注意した点は海面を基準にしたタナ取りの徹底で、コマセを詰めたコマセカゴを海底まで落とすようなことは一切行いませんでした。
というのも、コマセカゴを着底させてしまうと、海底付近に棲息するマダイ以外の小魚をマダイ狙いのタナまで浮上させてしまうことにもなりかねないからです。

魚探を使ったポイント探しの段階で付近の岩礁帯には頂上付近にはまとわりつくような魚群反応が映っていたので、海面からのタナ取りを徹底することでそれらエサ取りに悩まされることなくマダイだけを仕留めることに成功しました。
魚群探知機は本命の魚の居場所をつきとめるために使用するのはもちろんのこと、本命以外の魚に邪魔されることなく釣るための情報をも入手可能なツールであり、使いこなしが効率のいい釣りの実現につながります。

  • マダイを追う vol.14 釣果写真 海面からのタナ取りによって喰わせたマダイ。ヒレが大きく発達し、いかにも美味しそうな天然マダイです
  • マダイを追う vol.14 水中画像 海底から数メートル上を泳ぐ70センチ級のマダイ。魚の王様と呼ばれるようにゆったり泳いでいました

岩礁地帯の海底から約2メートル上を泳ぐ70センチ級のマダイの映像です。画面の右側方向から左側へ向けて多くの浮遊物が流れているのがわかるでしょうか?その方向へ潮が流れている証拠であり、その速さは約2ノットです。
釣り場における潮の流れには、月と地球の距離の変化に伴う潮汐によって生じるものや、海中の部分的な密度の違いにより生じるもの、大きな河川の流入によるもの、風によるもの、海底地形の変化によって生じるものなど様々な発生要因が考えられます。
魚の活性が低い時に「潮が流れていないから・・・」ということをよく耳にしますが、単に潮が流れていればいいということではなく、魚種によっては潮が速すぎると採餌行動しなくなるものもあります。ダイビングで観察した範囲で申し上げると、マダイは流速が2.5ノット/時間以上になると流れが緩い岩陰などに身を隠す傾向があるように感じています。

著者紹介

カートップボート 友恵丸 船長 小野 信昭 さん

FURUNOフィールドテスター DAIWAフィールドテスター 月刊ボート倶楽部ライター

愛艇・友恵丸を車に積んで北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。

ウェブサイト:気ままな「海のボート釣り」
使用機材:9型ワイド、カラー液晶GPSプロッタ魚探 型式 GP-1971F