魚種ごとの反応
この魚探画像からどんなことが解り、どんなことが推測できますか?
ボートは0.5ノット程度でゆっくり流しながら画面撮影したもので、魚探から発信する超音波の周波数は200キロヘルツで海中を探知した反応画像となっています。
このポイントではアオリイカを釣りました。
アオリイカは岩礁やゴロタ石、あるいは海藻類が生い茂ったようなストラクチャー(障害物)周りが主な棲息ポイントとなります。
それはアオリイカが好んで捕食する小魚やエビ類がストラクチャー周りに集まるためで、アオリイカのポイント探しは魚群探知機を使ってそのような場所を見つけることになります。
この魚探画面の撮影当日は”餌木シャクリ”という釣法にてアオリイカを仕留めました。餌木シャクリは餌木を水中へ沈めるのにその自重だけでなく、ハリスで繋いだ中オモリの重さも利用するもので、ボートから比較的近い位置に餌木を沈めてアオリイカを狙う釣法です。
アオリイカを狙うには、他にも餌木を”キャスティング”する釣法や、ボートをゆっくり流しながらライン(イト)をどんどん送り込んで行く”ティップラン”と呼ばれる釣法などがあり、これら2つの釣法はボートから餌木を(比較的)離して狙う釣法となります。
いずれの釣法を行なうにしても、アオリイカがストラクチャー周りを好んで分布しているので実釣途中での餌木の根掛かりには十分注意が必要です。
ボートの近くを狙う餌木シャクリ釣法では根掛かり防止策として魚探の活用が特に有効なものとなります。
その場合にはボート直下付近のみの情報を得るためにも発信する超音波の指向角が小さくなる周波数(200キロヘルツ)を選択するのがベターです。
ボートをゆっくり流しながら、魚探から得られる直下の狭い範囲の情報(海底起伏)に基づいて餌木をタナ取りできるので根掛かり発生を低減でき、効率いい釣りが実現可能となります。
FURUNOフィールドテスター / DAIWAフィールドテスター / 月刊ボート倶楽部ライター
北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。