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魚種ごとの反応

メバルを追う vol.1

「浮き」が要(かなめ)

メバルを追う vol.1 ダイバーが近寄ってもメバルはその場を離れない。1尾釣れたらチャンスだ。

メバルは一年中狙える魚だが、冬から春が盛期となり、ポイントは水深5~40mくらいの範囲の岩礁帯、捨て石周り、カジメなどの海中林の周りなどが狙い目となる。スキューバダイビングでメバルを観察すると、泳層は海底から2mくらいまでの範囲で中性浮力を保ち、一定の泳層でジッとしている。その姿は、魚体を斜め上方へ傾けた状態で静止し、上からエサが落ちてくるのを待っているかのようにも見える。大群を作るというわけではなく、多くても20尾程度で群れ、広範囲を積極的に回遊しながらエサを捕らえるタイプではない。生息ポイントの水深が比較的浅く、ジッとしている。そしてわずかではあるが浮かんでいる。そうした生態から、魚探でもその存在を捉えやすい。

ポイント探しは、魚探の画面に映る海底の凹凸が険しい場所で探すところから始める。手っ取り早いのは海図で海底底質がR(Rock=岩)と記された場所を調べておく方法。効率よくポイントに近づくことが可能となる。  「海底拡大モード」のような機能を備えた魚探であれば、生息場所の水深が浅いので、メバル自体の反応を捉えることが可能になる。ただし、海底(岩礁等)からわずかに離れてジッと止まっている反応は、メバル以外にもネンブツダイやサクラダイの反応である可能性がある。それらの外道と本命のメバルが釣れたときの魚探画面に映し出された反応の違いを、ぜひチェックしていただきたい。

魚探の機種、水深、ボートの移動速さなどによっても、反応の出方は変わるが、メバルと前述の外道とでは魚群の密集度合が異なるので、経験を積むことで判別が可能になるはずだ。停止した状態では魚群の反応画像が横一直線になってしまい判別しづらいため、ゆっくりボートを動かしながら反応の真上を通過してみよう。反応の断面形状や密集度合の差異が分かるはずだ。

ナギを釣れ・・・は理にかなう!

メバルを追う vol.1 岩礁の斜面などに1~2m浮いた反応が狙い目

春先なら、水深5~8m程度の浅場にもメバルは姿を見せるので、そのような時期であれば、魚探以外にも箱メガネなどを使えばボート上からメバルの存在を目視にて確認することができる。ただしメバルは目のいい魚であり、ボート上から魚体が見えるほど潮が澄んだ日は、残念ながら警戒して釣り糸の先に付いたエサを食ってくれない場合が多くなる。

さらに前段で述べたものは、いずれも底潮の流れが速すぎないときの話である。以前、ダイビングで底潮がとても速いときに、メバルたちがまるでカサゴのように岩陰にへばりつき、潮流を凌いでいたのを確認した。このような状況になると、魚探でメバルそのものを探すことが困難になる。たとえ実績ポイントの緯度、経度をGPSに記録してあったり、山ダテでポイントをしっかり把握していたりしても、このように底潮がものすごく速いようなときはメバルはエサを追わない。メバルの生息場所が判明していてもまず釣れないので、時間帯をずらし改めて狙ったほうがいい。

春の濁り潮が差し込み、徐々に水温が上がってくればメバル釣りの本格シーズン。「メバルはナギを釣れ」といわれているように、波穏やかで、潮もゆったりと流れるような日を選んで楽しむのがベストだ。ただし成長が遅い魚なので、「数より型」のボートフィッシングスタイルでいこう。

記事:小野信昭さん 協力:隔週刊つり情報

映像は砂地に設置されたブロック漁礁付近で撮影したメバルで、潮上へ向きじっとしている状況です。メバルが活発に摂餌するのは主に夜間で、日中にスキューバダイビングで観察できるメバルの様子はこの映像のようにじっとしている姿が多くなります。
メバルが棲息するのは小魚や甲殻類が多く集まるところで、漁礁等のストラクチャー(障害物)周りや海藻類が多く生えている根周りが好ポイントとなります。魚群探知機ではこれらの特徴的な地形を捉えることは容易ですが、この映像の様に小魚が数多く群れているような状況では小魚とメバルを分離して捉えることが難しくなります。映像に映っている小魚はネンブツダイやキンメモドキであり、どちらもメバルが好んで捕食する対象魚に当たりますが積極的に追い回すようなことはせず、じっとしていることで小魚たちに安心感を与え、近寄ってくるのを待っているように感じられました。

著者紹介

友恵丸・友恵丸III 船長 小野 信昭 さん

FURUNOフィールドテスター / DAIWAフィールドテスター / 月刊ボート倶楽部ライター

北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。