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魚種ごとの反応

アマダイを追う vol.1

アマダイは底質がカギ

アマダイを追う vol.1 まずは、巣穴が掘れる砂泥地を探そう

アマダイ釣りにスポットをあて、魚探の使いこなしを説明しよう。
冬場の人気ターゲットであるアマダイはアカ、キ、シロの3種が存在し、それぞれ生息する水深や分布数も異なる。ここでは釣りや料理の世界で一般的にお目にかかることが多く、もっともポピュラーなアカアマダイ(以下、アマダイとする)について解説していく。

アマダイは水深30~150メートルの砂泥地に生息し、巣穴を作って生息しているという。巣穴から出て泳ぎ回るとしても、海底から2メートルの範囲までという話である。さらにその泳層は海底に近すぎるため、魚探を使ってアマダイの反応を見つけるのは困難だ。
そのため魚探では魚影を探すのではなく「水深、海底地形、海底の底質」を読み、ポイントを探し出していく。

海底地形で判断ミスを冒しやすいのは、海底が平坦な釣り場においてボートが大きく揺れる場合だ。
このような状況下は魚探画面に映し出される海底ラインが凹凸に表現されるということを知っておく必要がある。周期が短い凹凸が繰り返し表現される場合には、まずボートの揺れを疑ったほうがいい。

海底の底質に関しては以前にも紹介したように、魚探に映し出された海底ラインの下に伸びる「尾引き」の長さの違いにより岩と砂の区別がつく。
尾引きの長さに変化があった場合に、その相対的な長さの違いで判断していくわけだ。

しかしながら尾引きに変化がなく、一様な長さに映し出される海底の場合は、底質を判別するのは難しくなる。とくに魚探のゲイン(感度)調整をオートモードにしていると、水深の変化などによって出力を自動的に変えてしまうので、さらに底質判断が難しくなる。
そのようなときはゲイン調整をマニュアルに切り替えたほうが、尾引きの長さが安定するので惑わされない。ただし、尾引きの長さを見て底質を推測するためには、ある程度の経験がどうしても必要だ。

確実なのはオモリで底質を確認する方法

アマダイを追う vol.1 右画面の尾引きにも注目。
幅が広ければ底質は硬く、狭ければ軟らかい

実のところ、一般的にアマダイを狙うような水深ならば、実際に仕掛けを降下させて確認した方が手っ取り早い。

ボートからオモリを落下させて、オモリが着底する際の衝撃、あるいは道糸巻き上げるときの、「海底に刺さったオモリがズボッと抜ける感触」を竿先で感じることで、底質を判断するというものだ。
絶対ではないが、アマダイが好んで生息する砂泥地(巣穴が掘りやすい)は、そんな軟らかな底質が主軸なのである。

オモリで確認する方法は原紙的ではあるものの、一番確実と言える。また、より正確に判定するならば、いつも決まった形状のオモリを使うとよい。

魚探画面は40センチオーバーのアカアマダイ2尾と、シロアマ1尾を同日に釣りあげたポイントにて撮影したもの。

海底の凹凸を捉えやすくするため、ボートを2ノットほどのスピードで進めつつ撮影した。画面左が周波数50キロヘルツ、右が200キロヘルツでの表示となっている。

水深約50メートルの砂泥地が2メートルほど窪み、さらに平根へとつながる境目付近で、アマダイがヒットした。アマダイもシロギスと同様、根際に良型が好んで生息する何かの条件が整っているように思う。
アマダイが釣れたら、その場所には必ず数尾が固まっているので、山ダテをきっちり行うか、GPSに記録を残しておくとよいだろう。

記事:小野信昭さん 協力:隔週刊つり情報

著者紹介

友恵丸・友恵丸III 船長 小野 信昭 さん

FURUNOフィールドテスター / DAIWAフィールドテスター / 月刊ボート倶楽部ライター

北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。