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魚に逢いたくて

コウイカを追う vol.3

この魚探画像からどんなことが解り、どんなことが推測できますか?

コウイカを追う vol.3 GPS魚探映像 ボートの移動が遅いと海底に起伏が存在しても魚探画面の海底ラインは平坦に表示されることがあるので、底質判別機能がより一層有益な情報となります。

ボートはスパンカーで風を受け、エンジンはデッドスローにして、船速0.5ノットほどで潮上から潮下へ向けて流しました。魚探画面は左側が周波数50キロヘルツ、右側が200キロヘルツ、そして右端がAスコープとなっています。

この画像からは以下のような情報が得られます

  • 水深15.5メートル
  • 海底にはわずかな起伏があるが、凸凹が周期的になっている部分もある
  • めぼしい魚群反応は映っていない

この場所で釣ったのはコウイカです。
コウイカは沿岸部の水深5~60メートルで、エビやカニ、シャコなどの甲殻類や小魚などが多く棲息している場所を好んで集まります。釣期は秋から早春までで、棲息場所の水深は水温の変化に応じて少しずつ変化していきます。この魚探画面を撮影したのはシーズン初めとなる秋口(10月上旬)で、夏の名残で水温が高いことから水深10m前後で小型のものが数多く釣れる時期でした。水温が下がり始める秋から冬にかけてはどんどん成長し、棲息場所の水深も深い方へと移動し、真冬には水深60mくらいにまでに達します。春になって水温が上がり始めると再び浅瀬へ戻り、沿岸のアマモなどへ産卵し短い一生を終えることになります。

コウイカを釣るための仕掛けには餌木、テンヤ、スッテなど様々なものがありますが、どの仕掛けを使うにしても共通していえることは、コウイカにしっかり抱き付いてもらうためにステイ(静止)させる時間をたっぷり与えるということが大切になります。
コウイカは数あるイカ類の中でも泳ぎが遅く、エサを追い回すことが得意ではないためにこのステイが重要となるわけです。

エサとなる獲物が天敵(コウイカ)に気づいて逃げ隠れてしまうことのできる険しい岩などが存在しない方がよく、見通しのいい砂地や砂れき(小石)帯にコウイカは集まります。
前述したように泳ぎが速くないために、エサ類を追い回すのではなく、相手に気付かれないように隠れつつ、相手の方から近づいてくるのを待ち、射程距離となった時に襲い掛かります。そのため、海底にじっとしていることが多く、スキューバダイビングにてその姿を観察すると、海中に存在する石のようにも見えてしまいます。(水中画像参照)

潮流や風の影響でボートが流れることで仕掛けが海底に対して速く移動するような状況が起こると、コウイカはその仕掛けに追い付くことができなくなります。
冒頭でも書きましたが、いかに抱き付いてもらうための時間をつくるかが大切です。もちろん、じっとしているコウイカ達に仕掛けの存在を気づいてもらうためのアピールも欠かせませんが、それと同じくらいステイさせることが大切になります。

コウイカは海底にじっとしていることが多いので魚群探知機にてコウイカ自体の反応を捉えることは困難です。初夏の波打ち際にコウイカの甲が流れ着いているのが確認できるような海には秋から冬にかけて海中にコウイカが存在すると考えて間違いありません。
水深や地形、底質からコウイカの棲息を予測し、船速に注意しながら付近一帯を攻めるといいでしょう。1パイ目のコウイカを釣り上げたら、水深や地形、底質が同条件となる付近一帯を丹念に攻めることで数を伸ばすことができます。

  • コウイカを追う vol.3 釣果写真 コウイカは墨イカと呼ばれるほど多量の墨を吐くので、ゲット後の扱いは注意が必要です
  • コウイカを追う vol.3 水中画像 海底に留まっているコウイカはまるで石のようで、エサが来るのをじっと待っています

著者紹介

カートップボート 友恵丸 船長 小野 信昭 さん

FURUNOフィールドテスター DAIWAフィールドテスター 月刊ボート倶楽部ライター

愛艇・友恵丸を車に積んで北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。

ウェブサイト:気ままな「海のボート釣り」
使用機材:7型ワイド、カラー液晶GPSプロッタ魚探 型式 GP-1870F