HOME 魚探の仕組み 海中へ発射する超音波(パルス波の話)

魚探の仕組み

海中へ発射する超音波(パルス波の話)

魚探は水中へ超音波を発射し、その反射波をとらえることで。魚群や海底状況を知ることができます。水中へ発射する超音波信号には、パルス波という信号を使います。パルス波というのは、鼓動波とか衝撃波を指します。実際には「ピィーーーー・・・」というような長い連続した超音波ではなく、「ピッ」、「ピッ」、「ピッ」というような瞬間的な電気信号のことです。魚探では、この超音波のパルス信号を、瞬間、瞬間に送信する仕組になっています。送受波器から超音波パルスが送信されたあとは、すぐに受信体勢に入ります。送信時間に比べて受信時間は長く続きます。受信中に海中からの反射波が返ってくるので、これをキャッチします。受信状態が終わると送信状態に変わり次のパルス信号を発射し、また受信状態に切り替わります。この動作を超高速で繰り返します。

送信パルス信号は1分間に何百回とか送信します。機器によっては多いときは1000回を超える場合もあります。当然、深い海中を探知するときは送信回数が減り、浅い海中を探るときは送信回数が増えます。発射されるパルス信号は強烈ですが、海中に進んでゆくとき送受波器のもつ指向特性によって広がりながら進みます。送信出力は、プレジャーボート用魚探では数百ワット、プロ用魚探では数キロワットという強いエネルギーをもっていますが、海中では広がりながら進みますのでそのパワーは次第に減少してゆきます。

パルス波

送受波器から海中へ発射するのはパルス波です。パルス波は衝撃的な信号です。送受波器には指向特性がありますので、パルス信号は徐々に拡散しながら海底方向へ進んでゆきます。

著者紹介

マリンギアライター 須磨 はじめ さん

神戸市須磨区在住

「ボートフィッシング」では、「すぐに役立つ電子機器解説」の連載を持つ。
著書:「電波航法機器」「電波機器と超音波機器」「魚探・GPS100%使いこなしブック」他