HOME 魚探の仕組み 気泡は大敵

魚探の仕組み

気泡は大敵

魚探は気泡(アワ)が大敵です。船底から発射された超音波は、海底に向かって真直ぐ進んで行きますが、その伝播途中にアワの層などがあるとその幕で反射されてしまい、そこから下方へ進むことができません。超音波はアワが苦手です。せっかく大きなパワーの超音波を発射しても、アワの幕で反射されたりその層の内部で大きく減衰してしまいます。この場合、超音波はアワの幕からの強い反射波のみとなり、水中深くの魚群や海底からの反射信号をとらえることができません。これがアワ切れ現象です。泡がみともいいます。

アワ切れによる魚探映像の障害が顕著に現れるのは、他船の航跡の中に入った時や、自艇をアスターン(後進)させた時などです。特に後進時は、自艇のスクリューによってかき混ぜられた空気塊が船底全体を取り囲むように真っ白な状態で発生しますが、この状況下では超音波は船底部分から海中へ向けて進むことができなくなります。このとき魚探画面上では海中映像は途絶えて、海面付近のアワによる強力な反射信号のみが映し出されます。強烈なアワがみでは海中情報が完全に消えてしまいます。海中からの魚群はもちろん海底線映像など何もかも無くなります。今まで表示されていた海底線はプツンと途切れた映像となります。やや弱いアワがみ現象では、映像が所々途切れた歯の折れたクシ状のようなパターンになります。

このようなアクシデントに巻き込まれた場合は、アワ水域から脱出するしか方法はありません。アワがみの影響を避けるには、船底に設置する送受波器の位置も考慮しなければなりませんが、釣り場で魚探を作動中は、艇のアスターンをかけないことです。魚群反応を発見した場合、そのまま前進を続けてユーターンで元の魚群位置へ引き返すようにします。特に魚探入門者はいつも前進のみで魚群を探すようにしましょう。

気泡は大敵

気泡は魚探の大敵です。気泡が送受波器の前に発生すると探知障害を起こします。特に後進時など、気泡が完全に艇体下へ入り込んだ場合は、超音波の進行がシャットアウトされますので魚探映像は途切れてしまいます。

著者紹介

マリンギアライター 須磨 はじめ さん

神戸市須磨区在住

「ボートフィッシング」では、「すぐに役立つ電子機器解説」の連載を持つ。
著書:「電波航法機器」「電波機器と超音波機器」「魚探・GPS100%使いこなしブック」他