HOME 魚探ラボ CHIRPサイドスキャン使いこなし術!より正確に魚へのアプローチができる!
魚探ラボ
2024年の冬、FURUNOフィールドテスター 福永 雄海氏の愛艇・LOVEFISHにフルノのフラッグシップモデル NavNet TZtouchXLが装備された。送受波器をCHIRP方式に変更し、さらにCHIRP サイドスキャン送受波器も追加。まさに大型アップデートといったところだ。TZTXL を搭載して具体的にどのように変化を感じているのか、フィールドで話を伺った。
TZTXL に内蔵されているCHIRP サイドスキャンは専用送受波器との接続により使用することができる。船の左舷と右舷の両サイドをスキャンし、海底地形や海中の構造物の形状を高解像度で映し出す。さらには構造物周辺にベイトやターゲットが寄り付いているかさえも探索することができる優れものである。本機能は福永氏のフィッシングにかなりの効果を発揮していると言う。
「とてもシンプルなことですが、CHIRP サイドスキャンを使うと魚が船の右舷側にいるのか、左舷側にいるのかが分かります。まずこれだけでもフィッシングには非常に有効です。魚探を使えば真下方向は粗方見えますが、キャスティングする先がどうなっているかは頭の中で『おそらくこうだろう』という推測になります。それがこの機能を使うとどんな構造物があるのか、そもそも魚がいるのかがわかります」
左:右舷側に大きな魚群が分布 右:消波ブロックの凹凸を捉える様子
実際に橋脚に沿うように船をゆっくりと動かすと、船の上からでは分からない様々な海中の様子が見て取れる。構造物やその周辺にベイトがどのように集まっているのかが分かるのは非常にユニークだ。
さらに情報が得られるのはベイトの有無だけにとどまらないと福永氏は言う。
「ターゲットがベイトを捕食しているのか、どの付近で暴れているのかまでも読み取ることができますよ。サイドスキャンで得られる情報は自身の判断を補完する材料になりますね。
今までは上層を攻めて魚がいなければ中層を攻め、それでもいなければ海底かな?と結論付けて繰り返してキャストしていましたが、サイドスキャンによってより正確にターゲットにアプローチできるようになったと思います」
『見ていて楽しいし、何かワクワク感があるよね!』と言いながら福永氏は見事シーバスを釣り上げてみせた。
釣りをする上で地形や構造物、そしてその周りの魚の集まり方などをイメージすることが重要と福永氏は言う。
「魚と船との位置関係はサイドスキャンだけでもおおよそ把握することができますが、そこに従来の魚探を組み合わせることで魚が船のサイド寄りなのか、真下寄りなのか、正確にイメージできます」
16 歳の頃からフィッシングガイドをしている福永氏。自身の経験で培った様々なポイント探しのノウハウがあるという。
元々学生の頃は魚探などの機械には頼らなかったそうだ。しかしもっと海中の情報が欲しいと感じるようになり、魚探を使い始めたという。
「CHIRP 魚探もCHIRP サイドスキャンもすごい技術ですが、私としてはヒントを得るための道具だと考えています。釣り竿だって道具だし、船も道具。それを人間が駆使して魚にアプローチしていくのが釣りの楽しみなんじゃないかなと思いますね」
今後は外洋に繰り出して挑むカジキ釣り※でもCHIRP サイドスキャンを活用してみたいと意気込む福永氏。その冒険心を強くサポートするのがTZTXL だ。
※ 自治体で定められた規則に則り、採捕許可が出ている期間にて実施
Text: / Photo: フルノスタイル編集チーム