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魚種ごとの反応

アマダイを追う vol.2

この魚探画像からどんなことが解り、どんなことが推測できますか?

中深場の傾斜した海底では尾引きの長さの変化が表れにくく、底質判別は至難の業。底質判別機能があれば一目瞭然なので本当に助かります 中深場の傾斜した海底では尾引きの長さの変化が表れにくく、底質判別は至難の業。底質判別機能があれば一目瞭然なので本当に助かります

スパンカーによるエンジン流しにて時速0.2ノットのスピードで進めながら撮影したもので、周波数は200キロヘルツ、底質判別機能をグラフィックモードで表示しています。

この画像からは以下のような情報が得られます

  • 水深72.7メートル
  • 底質がRCKS(岩) からMUD(泥)へと変化した
  • 海底ラインが全体的に右下がりで、顕著な凸凹は見られない
  • 魚の反応が見当たらない

この魚探画像はアマダイを釣った実績ポイントにて撮影したものです。

画像から得られる情報でポイントの特徴を見てみましょう。

海底ラインが全体的に右下がりとなっていることから、深い方へ向けボートを進めたことが読み取れ、画面左端が水深50メートル、右端で72.7メートルなので水深変化は約23メートルになります。

ボートが移動した距離を考えるには、画面最上部にある"分時マーク"が活用できます。分時マークは赤色と白色の横に細長いバーが30秒おきに交互に表示されるので、この画面では赤白が4組連なっていることから画面右端に縦1列で表示した水中の最新情報が左端へ送られていくのに4分間かかったことを意味しています。

船速0.2ノットは約6.2メートル/分に相当するので、4分間ではボートが約25メートルの距離を移動したことになります。その間、水深が約23メートル変化しているので、ボートの移動距離と水深変化から海底の傾斜角は45度未満と推測できます。(三角関数にて導出すれば43度と求まります)。

実はこれまで何度も紹介している海底ラインから下側へ伸びた'尾引き'の長さにより海底底質を判別する手法は海底の傾斜角度が小さな場合には推測しやすかったのですが、傾斜角度が大きくなると判別が難しくなる欠点がありました。傾斜角度が大きいと尾引きが長くなるとともにバラツキが大きくなるので、その結果、底質の違いによる尾引きの差が画面を見ただけでは判断しづらくなりがちでした。

そこで有効なのが底質判別機能を有する魚探です。今回使用したモデル(FCV-627)は海底による反射エコーの強度のアナログ信号をデジタル信号に変換し、情報処理することで確度の高い底質判別を可能にしました

アマダイの泳層は海底付近であり、巣穴に潜っていることも多いので魚探でアマダイそのものを捕らえるのは困難です。そこでポイント探しは概ね水深40~120メートルの範囲で、巣穴を作りやすい砂泥質の海底を探すことが指針となります。

実釣においてはボートを流しながら広範囲を探ることになるので必然的に水深変化が伴います。海底傾斜地においても底質判別を魚探側で行い、確度の高い判別結果を表示してくれる機能はボートアングラーにとって大変有り難い機能の一つです。

  • 40センチオーバーのアマダイは強烈な引きが味わえる。もちろん食味の方も申し分なく、釣趣と食味の両方を味わえる人気の釣り物です 40センチオーバーのアマダイは強烈な引きが味わえる。もちろん食味の方も申し分なく、釣趣と食味の両方を味わえる人気の釣り物です
  • スキューバダイビングでは水深が深くて撮影困難なので友人宅で飼う水槽内のアマダイ画像です スキューバダイビングでは水深が深くて撮影困難なので友人宅で飼う水槽内のアマダイ画像です

著者紹介

友恵丸・友恵丸III 船長 小野 信昭 さん

FURUNOフィールドテスター / DAIWAフィールドテスター / 月刊ボート倶楽部ライター

北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。