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魚に逢いたくて

スルメイカを追う vol.3

GPS魚探画像からどんなことが解り、どんなことが推測できますか?

スルメイカを追う vol.3 GPS魚探映像 深場のイカやそのイカが追い回している小魚を捉えるために今回は魚探の感度をMANUAL調整しました

スパンカーによるエンジン流しにて時速0.2ノットのスピードで流しながら撮影(画面キャプチャー)したもので、画面左側からGPSプロッタ画面、魚探画面の低周波(50キロヘルツ)、高周波(200キロヘルツ)、そして右端がAスコープとなっています。

この画像からは以下のような情報が得られます

  • 水深117メートル
  • 海底は概ねフラット(平坦)である
  • 低周波(50キロヘルツ)では海底近くに濃い魚群反応がある
  • 高周波(200キロヘルツ)では海底近くに淡い魚群反応がある

これまでにも何度も紹介していますが、イカは浮き袋を持っておらず、さらに身体の密度が水に近いことから超音波を反射しにくく、他の魚に比べると魚群探知機ではその姿を捉えづらくなります。
しかしながら、技術の進歩により従来見えづらいとされてきた水深100メートル以深に多く分布するスルメイカやヤリイカでも以前に比べ数段見えやすくなってきました。
それは分解能力や判別能力が向上したためです。詳しい説明はここでは避けますが、そのように技術が進歩しても、やはり魚探はあくまで超音波を使ったデータ解析結果の表示装置であって、光学的に水中の物体を捉える水中カメラとは異なります。
つまり、ユーザーが使用するにあたっては水中の状況把握に少なからず推測が付いて回ります。

ここで紹介する魚探画像は実際にスルメイカを釣った際に撮影したものです。低周波(50kHz)による表示画面では海底から15メートルの範囲に何やら濃い魚群反応が映っています。
スルメイカが釣れた時にはこの反応が出ていることが多く、この反応がなくなるとスルメイカは釣れなくなりました。その状況から考えると、この反応がスルメイカである確率が高くなります。
この時釣ったスルメイカは8ハイで、一旦ボートのイケスに入れました。数分後にイケス内を確認したところ、スルメイカが体長5センチほどのハダカイワシを3尾も吐き出していました。
それを見た途端、もしかしたら魚探画面に映っていた反応はスルメイカではなく、ハダカイワシだったのでは?という疑問が生じました。

そういえば、この反応が映っていても、スルメイカがまったく釣れない状況が何度もありました。
そう考えると反応の正体はハダカイワシで、群れによってはスルメイカが付いていないものもあり、そのような群れに仕掛けを降ろした時にはスルメイカが釣れない・・・という事実とつじつまが合います。
でも、この考察も推測の域を出ませんが・・・。

技術の進歩により、最新の魚探では分解能力が高く、判別能力の優れたより緻密な情報が得られるようになりました。しかしながら、その魚探を使いこなすにはやはり場数を多く踏み、実際にスルメイカを釣った時の反応映像を目に焼き付け、自身の経験値を高めていく以外に方法はなさそうです。

  • スルメイカを追う vol.3 実釣風景画像 イカヅノを多数使用するスルメ狙いではイカヅノ投入器と電動リールが必須アイテムとなっています
  • スルメイカを追う vol.3 釣果画像 船上干ししたスルメイカは最高に美味しいおつまみとなります

著者紹介

カートップボート 友恵丸 船長 小野 信昭 さん

FURUNOフィールドテスター DAIWAフィールドテスター 月刊ボート倶楽部ライター

愛艇・友恵丸を車に積んで北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。

ウェブサイト:気ままな「海のボート釣り」
使用機材:7型ワイド、カラー液晶GPSプロッタ魚探 型式 GP-1870F